2011年3月21日月曜日

Creative Commonsとクリスチャンアーティスト

賛美をAll Right ReservedからSome Right Reservedへ!

OpenLPの賛美を集めるためにクリスチャンアーティストのサイトを見て回っています。ノアミュージックなどを除き、ほとんどが全著作権保持状態の「All right reserved」です。これは、他者がどんな事情があろうとも利用するには、必ず許可が必要という意味です。

現実には、許可を取らずに、歌詞をコピーしたり、教会で賛美したりと色々使われています。日常的に実行されている事であるし、アーティストや翻訳者も問題にしていません。暗黙の了解で通っていると思います。(これもあまり良いことではなく、あなたが著作権管理を委託してしまっているのであれば、あなたにとって不本意な事であっても、委託先が教会を訴えてしまうという事も法律上は可能です。)

法的な部分はさておき、いまやインターネットを通じて、劇的な勢いで情報が流通する事が可能になった世の中。如何にOpenLPのような「再配布者」が曲自体を普及させやすくする仕掛けを用意しておくのは有効な宣伝手段と思います。もし、CDや音楽データや楽譜を販売して、利益を得たいと考えているなら尚の事だと思います。

All Right Reservedでは、「再配布者」は動けない。

一般向けの歌詞を公開してしまっている「うたまっぷ」というサイトも、歌詞をテキストのままで配布するのではなく、印刷したりコピーできなくさせる処置を表面上施す事で回避しています。http://www.utamap.com/ 法律準拠が求められる日本のキリスト教会では、うたまっぷのような物ですら厳しいかなと思います。実際問題、賛美の歌詞をインターネットで公開しているサイトは私が知る限りは存在しません。

Creative Commonsで、Some Right Reservedの賛美を

「再配布者」が法律準拠を厳しく求められる環境だからこそ、教会で歌われる可能性のある曲は、歌詞だけでもAll Right Reservedではなく、Some Right Reservedにして頂ければと思います。それを解決してくれるのがCreative Commonsです。

恐らく歌詞に最も向いていると思われるSome Right Reservedなライセンスを2つ紹介します。

表示 - 非営利 - 継承

又は、

表示—非営利—改変禁止

を歌詞に適用する辺りでしょうか。楽譜にも適用できれば、敷居がぐっと下がると思いますし、さらにあなたの演奏データにも付与できれば、教会は楽譜と演奏を聞けて、即賛美に加えて行く事が可能になります。(演奏データも2つ用意するとか如何でしょう?教会が練習するのに十分な無償版と多種の楽器を含む有償版のように)

両方とも教会や集会などでの利用が可能になっています。しかし、営利が禁止なので、営利目的なコンサートやCDに収録したものを販売したりするには、著作者の許可が必要になります。つまりこの著作物でお金儲けができるのは、著作者とあなたが例外的に許可した者だけになります。この条項で、ほぼあなたの収録した演奏のCDの利益は守られるのではないでしょうか。

さて、前者の「表示—非営利—継承」は、替え歌やアレンジなど改変を可能にします。しかしアレンジされた著作物も「継承」条件によって、全く同じCreative Commons条項が適用される事が条件になります。更に、2次製作物も営利目的利用が不可能になるため、少しだけ変更して自分のCDとして売る等も営利目的である限り不可能です。

後者の「表示—非営利—改変禁止」は、前者と異なり2次製作を禁止します。2次製作の定義は、歌であれば、歌詞の変更やアレンジなどを指します。その曲を使用した演出の録画の公衆配布などは、非営利であれば制限されません。つまりコンテンツの内容に変化がないかどうか問題とされているという事です。

これらを採用する事で、再配布希望者の立場からすれば、あなたの著作物からあなたが得たい物を得る事ができ、主を賛美するという本来の創作目的を果たす事ができると考えられます。

最後に、CreativeCommonsのこれらの条項は、あなたの著作物の権利を守るためにあなたが宣言しているに過ぎず、実際に違反があった場合には、あなた自身が著作権侵害者を起訴するなりの法的手段にでなければならない事に留意して下さい。(Some Right Reservedの曲を代理管理してくれる著作権管理代行会社を私は知りません。)

著作者から見ても著作権は面倒な問題だと思いますが、利用者側からすればもっと大きな問題になります。お互いの利益を最大化できるように、勤めて下さると幸いです。

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